メビウス7/15

一つの物語としても、全体の物語の一部としても楽しめる、見ごたえ十分の回でした。
怪獣グロマイトは、メビウスではありがちな「どんな怪獣でもストーリーには関係ないからデザイン先行で」作られたらしき一体。岩石怪獣はこれまでもたくさんありましたがディテール的には「ダイナ」のダランビア、ネオダランビアからさほど進化したとも思えず、スタイルはボディに比べて四肢が太すぎてアンバランス。個性としても「帰ってきたウルトラマン」のゴルバゴス以上とは思えません。ただ背面(首ですけど)に弱点があるというのは、ウルトラ岩石怪獣の元祖・ゴルゴスへのオマージュなのかな。

ストーリー的には、ウルトラメカに「整備」という単語を持ち込んだのがなかなか新鮮。実際は「ガイア」最終5連作にも出てきますが、隊員が整備してみたけどうまく行かなくて整備のプロを認めることになったり、今回の方が深く描かれています。
いわば、「機動戦士ガンダム」放送時に、主人公ロボが「弾切れを起こす」というリアルさに接したときのような快感ですよね。
ジェットビートル以来の種々のメカを整備し続けてきたなんて、とっつぁんかっこいい!

メカを中心にした演出からガンブースター登場編に持っていく。ガンブースターがニューヨークから直接飛んできて戦闘に参加するのは、MATの伊吹隊長へのオマージュかもしれない。
アクションシーンのほとんどを、リュウがガンブースターとの合体を果たすところに費やし、その途中にマリナが「風の音を聞く」など、各隊員の個性を生かした演出を入れてみるなど、メビウスというシリーズが一つの世界観を持ち始めていることがわかります。メビウスもほとんどお手伝いしかしてないし。ただあの「トドメ」って・・・ねぇ(と「ウルトラマンジオ」読者に呼びかけてみる)

大河ドラマ的には、ゾフィーの出現という目玉がありました。とはいえ、暗闇の中(恐らくウルトラマンヒカリの心象風景というかテレパシーの世界?)でヒカリに呼びかけるだけでしたが。
ヒカリを光の国(ややこしいな)に呼び戻そうとするゾフィー。そこでヒカリがボガール亡き後も怪獣が出現している不思議に言及しており、逆に言うとシリーズ構成者が「そのエクスキューズ」をちゃんと考えていることが伺えてほっとしました。
「君も弟達と一緒だな」という台詞が優しくて、さすがウルトラの長兄だと思わせましたが、「長くは待てない」理由が気になりますね。
こうして新旧のウルトラマンを並べてみると、ヒカリのデザインがいかにごてごて装飾過多かよく解ります。ゾフィーのデザインは今でも古びない美しさを持っていますね。この生物としてはラインが異常に多いデザインは「ネクサス」以来のものですけれど、もしメビウスの次に新シリーズがあるのなら、「シンプルライン」のウルトラマンももう一度考慮していただきたいものです。

今回、サコミズ隊長がガンブースターは甘くないと声を荒げるシーンがありまして、これは珍しいシーンですがかっこよかったですね。
ウルトラマンがヒカリとメビウスが別に登場しましたが、ガイアとアグルの反省からか、ヒカリが前座のやられ役に堕さないように注意されていましたね。

そして落ちは猫だましとw(にゃ〜)

次週はなんとマグマ星人(がやられ役w)。シルバーシャークという兵器名はやはりドキュメントMACなんだろうな。