メビウス第47話「メフィラスの遊戯」

まずは解答編。
メビウス(ミライ)は、初代ウルトラマンのことを何と呼ぶのか。
正解。

「兄さん」

無難にかわされたっ!(苦笑)
それよりも「兄さん」がメビウスのことを「弟よ」と呼んだのが意外でしたね。
これまで、ホントに吉本っぽく(笑)メビウスが一方的に「兄」呼ばわりしていたのに、とうとう「兄」の方も弟と認めちゃったんですね。
これで、ゾフィー・初代・セブン・ジャック・エース・タロウ・レオ・アストラ・80についで、ウルトラ兄弟メビウスを加えて10人ということになるのか?
やっぱり歌詞を変えて「我らウルトラ10兄弟〜♪」と歌うべきか?


とか、枝葉末節はいいとしてだ(笑)


今回は、4回に渡るウルトラ兄弟登場編の中で、一番「兄弟が登場する」説得力に欠ける回になった気がします。
ミライの奮闘と、理性的に状況を見つめたテッペイの冷静さ、そして(80先生が登場したときのリフレインであるかのようですが)思い出の強さのためにGUYSの面々がメビウスのことを思い出した(その瞬間、黒く染まっていたお守りがファイヤーシンボルに戻る演出はいいなあ)、それだけでストーリーは完結してるんですよね。
既にメビウスはバーニングブレイブに変身しているし、特にピンチというわけでもないので、ここでハヤタ兄さんが敢えて変身する必要も感じませんでした。

物語の冒頭に、まだ事件も起こっていないのにハヤタ兄さんが登場している辺りからも、ストーリーより何より「ハヤタを出すんだ」という製作者側の都合ばかりが表に出てしまっている気がします。

メフィラスの作戦。
口幅ったいようですが、

http://ultraman-museum.from.tv/contents/mebius/

ここで、僕たちはメビウスのオリジナルストーリーを展開しておりまして、僕が書いた「発せられた言葉」と、葵女子♪さんが書いた「悪魔の再来」「不滅の正義」はメフィラス星人を登場させています。
二人に共通するのは、メフィラスがどうやって地球を侵略するかという点において、初代の「地球をあなたにあげます」という一言に今回も拘ってくるのではないかという部分です。
(僕の場合は少年に「地球をあげます」と言わせるのに成功してしまう、という危機を描き、葵女子♪さんの方は圧倒的な戦力を見せられた地球人が、GUYS隊員も含めてメフィラスに地球を明け渡したほうがいいのではないかと思い悩みます)

それに比べると、今回のメフィラス。記憶を捜査してメビウスを侵略者・自らを地球人の味方であると思い込ませる、それはいいんですが、危機感が薄い。
結局、踊らされてるのがGUYS面々ばかりでしたから。
もっと大きなパニックが起こっても良かったはずなんですが。

なぜそうしなかったのか。

多分、次回、皇帝エンペラ星人によって同じような作戦が展開されるからですね。

結果的に武力で地球を破壊したり侵略したりするのに飽き足らず、ヤプールもデスレムも地球人やメビウスの心に挑戦するという形が連続してしまっていて、これが故意であるとするならば製作者側の意図……つまり本当に大事なのは力が強いことではなく、心が正しいことなんだよ、というメッセージと捕らえればいいんですが、エンターテインメントとして似た話が連続してしまうとインパクトに欠けてしまうウラミがあるんですね。

グローザムの力押しの作戦がいいワンクッションになったはずが(それでも「あきらめてはいけない」という精神論にダン隊長が持って行ったんですが)、メフィラス話が一番煽りを喰って、薄い回になってしまったのが残念でした。

ここまで来て確信したんですが

テレビスタッフは映画「ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟」が嫌いなんじゃないかと。
僕も嫌いですが(笑)
映画ではこの4人の変身を全て新作で作りました。作ったのはいいけど、全然かっこよくなかったんですけどね(笑)

テレビ版での変身を見てみると、エース兄さんは昭和47年当時のバンクシーンの使用、ジャック兄さんは変身シーンなし(光に包まれたらいきなりジャックの姿になって上空に出現)、セブン兄さんは帽子を投げるまでは同じですがウルトラアイを装着したら光を発し、定番の変身シーンは使わず巨大化シーンに移行(衣装が同じなので流用してもいいはずなのに)、そして今回のハヤタ兄さん。

変身を昭和40年のバンクシーンで処理したこともそうですが、変身後の姿が、映画版の「大失敗Aタイプマスク」じゃなくて、定番のCタイプマスクにしていたこと。
これ見ると、テレビ版スタッフは徹底して映画版を否定してるなぁと感じざるを得ないんです。

そして、ジャック兄さんのときと同様、映画版の数倍かっこいい板野マジックによる空中戦。

あの映画、リメイクしてもらえないかなぁ(笑)
脚本は面白いんだもん。演出が全て殺してるんだもん。