さらば義経

りんたろう監督、最後まで綺麗な映像で楽しませてくれました。
郎等たちが一人、二人と欠けていく悲しい映像はたまりませんでしたね。
思いを実らせることが出来なかった電車・・・じゃなくて喜三太、返り血に染まって白い菊の花びらに倒れていく次郎・・・そして弁慶の立ち往生。
ただ三郎の「カニ」は余計だったかな。笑顔がふっと消える最期は良かったけれど。
それと、義経自害の瞬間、侍仏堂が吹っ飛ぶのもちょっと過剰効果だったように思います。
良くも悪しくも、「あのアニメ監督で有名なりんたろう監督」らしかったなと思います。

義経自害の報を受け、笑みを隠すことが出来ない北条時政・政子の親子と対照的に、涙に暮れる頼朝。
「九郎、儂を・・・」の後、ボクは「許せ」と続けると思ったのですが、頼朝は「怨め」と続け、泣き崩れました。
深いなぁ・・・
歴史はこの後、頼朝の逝去の後、二代将軍頼家、三代将軍実朝全てが早世(変死)し、四代以降は藤原氏天皇家から将軍を招いて傀儡とし、北条氏による執権政治が始まったことをボク等に教えてくれます。
二代・三代将軍の死の影に北条氏(実の母である政子かも)がいることはほぼ間違いなく。
頼朝の涙は、その悲しい歴史を予見したものかもしれません。

さて来年は司馬遼太郎原作による「功名が辻」。原作読んでみようかな。司馬作品は好きだし。
音楽は小六禮次郎さん、1984年「ゴジラ」の音楽をなさった方だ(そう言う見方しか出来んのかオレは)