メビウス7/8

前回のマリナ編に続き、今回はテッペイ編と、キャラ編が続いております。
今回もストーリーや演出に楽しいと頃は多かったですけれど(メイドの萌さんとかナースとか コスプレ花盛り!だったりもするw)、あえて今回は登場怪獣「インセクタス」のデザインに拘って書きたいと思います。

やってくれましたよ丸山さん。オリジナル怪獣としては久々にヒットじゃないですか。
まずコンセプトとして昆虫型怪獣であるということ。昆虫は蝶のタテハ類など少数を除いては6本脚です。しかし人間は四肢しか持たない。どうしても2本足りないのです。
過去のウルトラ怪獣東宝などの映画怪獣、仮面ライダーの怪人など、昆虫の姿を再現しようという試みはいくつも行われてきました。
例えば、あくまで昆虫型であって「昆虫」そのものではない、ということで4本足で強行する方法。「ウルトラマン」のアントラー、「帰ってきたウルトラマン」のノコギリン、ゴジラシリーズの「メガロ」などほとんどの怪獣がこの方法論でした。
また、脇の下に2本脚をぶら下げておくこともありました。「ウルトラセブン」のダリーがそうですね。ただこれだとこの一対の脚は動きませんので明らかに飾り物に見えてしまうという弱さがあります。
画期的な方法としては、「ガメラ2」のレギオンがありました。一人目の演技者の後ろに、二人目の演技者が仰向けに寝転んで、二対目・三対目の脚を表現していました。

そこでインセクタスを見てみると、ちゃんと6本脚を表現しようとしているんですね。
演技者の腕は、巨大なクワガタ型の角を操作していて(時々動かしすぎてクロスしてしまったのはご愛敬)、脚が一番前の一対の脚を表現。
そしてその後ろに、2対の脚がぶら下がっています。
もちろんこれには「身」が入ってないので動きません。妙に短足になっているためちょこちょこ歩きになっていますが、これはデザイン優先のため可動性を犠牲にした結果。これは演出で隠してあげて欲しかったのですが、地下室のシーンが本来なら緊迫感あふれるシーンだったのに「ちょこちょこ歩き」のため、コミカルな印象になってしまって残念でした。

しかしデザイン的には、この動かない4本の脚、短足デザインの対策もなされていたのです。
それが「巨大な頭部」です。正面から見ると二等身になるほどの大きな頭。視聴者の注意はほとんどそちらに集中するはず。現に、ボクがこれまで指摘した「ちょこちょこ歩き」に対する問題点を気がついた人がどれだけいるでしょうか。
そこまで計算したものだと思うのですよ、あの大きな頭は。
もう一つ、これは造形面での工夫。素材の材質が向上しているために、後ろ4本の足はしっかり固定され、適度に揺れ、ぶらぶら遊んでいる印象にはなっていません。

一見、ゴジラシリーズの「デストロイア」にも似た印象がありますが、これは十分独創的なデザインだと思います。

ボガールがいなくなって、「何故怪獣が出現するのか」の新たなエクスキューズが必要だってことをシリーズ構成さんが忘れてないか?という一抹の不安を抱えながらも、メビウスは順調に進んでおります。
さぁ次回は遂にゾフィー隊長の出現です!