メビウス第33話「青い火の女」

てかオビコにお払いしてもらってもご利益あるわけねぇだろ(笑)
てかあんなチョイ役、赤星さん良くやってくれたなぁ。
水金地火木土天海、あああ次が言いたい」(爆笑)

ストーリーは僕好みでした。
特に医者としての考え方を持つテッペイの苦悩と、それを励ますサコミズ隊長関連のくだりですね。
ベストを尽くしても結果が伴うとは限らない。
代償を求めて努力するのではない……
ラスト、ミサさんが記憶を失ってテッペイのことを忘れてしまうという形での、ある意味での「アンハッピーエンド」に持っていったのはメビウスという作品の優しさであると思います。
それこそもっとアンハッピーなラストも考えられたところですけどね。

今回、一番痛烈だったのが、フェミゴンに光線を放とうとしたミライをテッペイが口を極めて罵るシーンです。
「君は正義を守るウルトラマンだからね、でも僕は人間としてミサさんを守りたい」
つまり、ウルトラマンであるミライは人間ではないと言い切った、あまりに突き放した言葉。

もちろん「人間」=「地球人」という語意であればその通りなのですが、地球人に溶け込み、最後には
「地球人として生きたい」とまで思った過去のウルトラマン(タロウやレオ)と同様、メビウスも地球を愛しているので、これは最も言われたくない言葉だったでしょう。
(ミライが地球人ではないということを改めて確認するために、「(覗き見は)悪いことなんですか!?」のシーンが入れてあり、効果的に作用していました)

テッペイとミライが和解したと思しきシーンの後、テッペイはメテオールを怪獣に打ち込んで、メビウスに叫びます。

「今だ、ウルトラマン!」

先ほどは拒否の心を以って発せられた言葉が、今回はあくまで立場の違いを示す言葉として再び発せられた。生まれが地球か光の国かの違いはあれ(つまり地球人=人間か、M78星雲人=ウルトラマンかの違いはあれ)、あくまで対等の仲間として発せられたものであると、僕は受け止めました。
ガンウィンガーの中で変身したメビウスのシーン同様、チームにウルトラマンとしての正体を知られているという空前の設定が、ドラマに面白い影響を与えていますね!

ただし今回、唯一大きな減点をしたいのが、フェミゴン(フェミゴンフレイム)のデザイン変更です。
フェミゴンはモチーフとしては単なるドラゴンのアレンジであり、鶏のディテールが入っているという面白みはあれ、それほど斬新なデザインではありません。
しかしそれが個性を持つ一番の要因が、「首の位置」なんです。
これは「ウルトラセブン」のブラコ星人辺りに端を発するデザインで、「帰ってきたウルトラマン」でもバルダック星人という「おなかに顔がある」宇宙人が出現しており、遂にグラナダス、そして今回のフェミゴンの先代のような、「おなかに首がある」という変形怪獣路線が生まれました。
人間型を崩すという命題に答える意味で、更に極端なツインテールという名作があるにしろ、この変形怪獣の路線は、メビウスにも次世代が登場したムカデンダー(ウルトラマンタロウ)などの後継者を生んでいます。
フェミゴンがただのドラゴンや恐竜型怪獣と一線を画す一番の特徴である「おなかから首」デザインを捨ててしまい、普通のドラゴンや恐竜に似せてしまった今回のアレンジは、バルタン星人からハサミを取り除き普通の人間の手を当てはめて「この方が動きやすいだろう」と言ってるのと同じ暴挙です。
操演で補えないのであれば、CGを使ってもいいじゃないですか。過去の名怪獣を復活させるのなら、オリジナルのデザインや造形に敬意を表し、その個性を殺さないように再現するのが礼儀だと思います。
(艶やかな体表が魅力であったエレキングを、まるで潰瘍にでもなったかのように黒斑点にそってでこぼこのディテールを追加し病的な怪獣に仕上げたウルトラマンマックスの轍を踏んでいます)

それにしても。
映画「ウルトラマンティガ ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア」のヒロインだった斉藤麻衣ちゃん(当時小学生でした)が、色恋の話に出演できるようになるとは。
(その後、ウルトラマンコスモスの映画版にも出演してましたね)

ラル「時代が変わったようだな」(自爆)