メビウス第39話「無敵のママ」

39話か。初代ウルトラマンは39話で最終回だったんだよね。
メビウスは1年4クールで放送が終了するので、あと12話前後ということになります。長いようで短いぞ、きっと。

さて今回ですが、例の問題作「怪獣使いの遺産」を書いた直木賞作家・朱川湊人さんの作品でした。前回よりは随分と台詞がシェイプアップされた感じがありましたが、主人公のサユリさん(おきれいなので劇中のように「おばちゃん」とは言いたくないw)が6人も子供を生んじゃったせいで、サーペント星人に意識を乗っ取られる際に子供の名前を全部言おうとして、めっちゃ時間がかかってしまったのはテレビ的には問題だったかなと(^^;
これ、文章にしてしまうと問題ないところなんでしょうけどね。

敢えて6兄弟にしたのは、公式サイトにも解説してあるとおり「ウルトラマンタロウ」へのオマージュなんですけども。
冒頭、サユリさんが死んでしまった際も、子供たちに一人ひとり台詞を言わせて嘆かせようとしたのはいいが、「隊員のエネルギー補充係だった」のなんのというところまで喋らせているのは冗長すぎる気がしました。
これも文章で読むと大して気にならないんでしょうけどね。

サユリさんが憑依されてしまったことをドラマ的に示すため、水を大量に飲んだり(アイアンキングか!w)、料理の味付けが変化したりするのは面白かったけど、だったら「すき焼き」のシーンにももう一ひねりあっても良かったように思います。
「誕生日でもないのに」お祝いをしていることに驚くサユリさん。ってあんた、生死をさまよったんだから退院祝いくらいするぞ普通(笑)

って天下の直木賞作家様に向かって、何様だオレ(笑)

サユリさんがサーペント星人と合体して命を永らえる、そのシーンは「帰ってきたウルトラマン」を映像的にパロディにしたものでした。
地球に来たのが、そして死んでしまった若者と合体したのがウルトラマンだったから良かったものの、侵略者だったら!というアイデアは、僕と仲間達が以前展開していたオリジナルウルトラマンストーリー「ウルトラマンジオ」と同じ、発想の原点だと思います。
(それにしても僕と同じで朱川さんって本当に「帰ってきたウルトラマン」が好きなのね・笑)

しかし最終的にサユリさんの方がサーペント星人の意識を乗っ取るくだりを見ると、「デビルマン」の影響も大きい気がしますね。
子供たちから送られた「メダル」の使い方が秀逸。
サーペント星人の意識を乗っ取る力になったのが、不動明のように「正義」のためではなく、「子供を思う力」だったのも好ましく思えました。
(何だかいつも最後の付け足しになってるっぽいご主人が不憫ではありますがw)

とにもかくにも、美保純さんの好演に尽きますね。
ちゃんとお母さんの「慈愛に満ちた」表情をしてくれたかと思うと、所帯じみていない笑顔も、GUYSの面々に慕われる豪快な「おばちゃん」の明るさも、サーペント星人に乗り移られたときの冷たい笑顔も見せてくれていて、全部ひっくるめて彼女の表情がドラマを作っていました。

解決策が食塩であり、それが消火弾に含まれているとか、宇宙人の能力が徐々に消えていくとか、そういう設定を「口で」説明しているのはやはり朱川さんらしい台詞に頼った演出でしたが、ラストの自動車を持ち上げるハイパーママのシーン、かぶるウルトラマンメビウスのファンファーレ(これがミライ=メビウス以外に使われたのは第20話「総監の伝言」のマル補佐官秘書以来だ!)、そして変身ポーズ(「ダイナ」のハネジロー以来だぞこれもw)など、もう隅から隅まで美保純さんでした。

さて、とうとう矢的先生の出番が発表されたようですね!
「80」リアルタイム世代としてはとっても楽しみです!