メビウス第40話「ひとりの楽園」

直木賞作家朱川さんが連投しておりますな(^^;
彼は随分とウルトラシリーズがお好きなようで、意識してか無意識にか、過去のシリーズを踏襲したような設定が良く出てきます。
今回の怪獣ソリチュラも、みんなで一つの意識(今回は「心」と言っていました)を共有することで人類を救済する(という名目で実際は侵略しているわけですが)、というのは「ウルトラマンティガ」に登場したパラサイト宇宙人イルドと同じコンセプトです。
しかしイルドのときは、イルドのその特徴にストーリーの興味が集中し、イルドに同化された親友を撃ってしまったシンジョウ隊員の苦悩などが描かれたのですが、今回は「なぜ、同化することが救済になるのか」という視点から、現在社会が抱えた問題、人の繋がりの希薄さ、友人とは何か、寂しさとは何か、を描いた点で、大変面白い作品になったと思います。

僕も人付き合いがホント下手糞なものですから(汗)

本当に一人きりになってしまったら「寂しい」という概念すら存在しなくなる。
そこでメビウス=ミライが問うのです。
「君は、それでいいの?」

ソリチュラに同化された人々が、解放されたときに一度恨み言を言う辺りがリアルでした。

ただねー。相変わらず朱川さんは台詞喋らせすぎ。一番はゲスト主役の少女ナオコが母親と電話するシーンですね。あそこまで説明的じゃなくてもいいのに。その後、(かりそめの)友人達によって、彼女の母親が医者であることは語られているんだから。
もしかしたら30分という枠の短さを意識しすぎて、何でも台詞で語らせてしまおうと思っているのかもしれません。
でも、だったらラストでナオコに「うまく言えないんだけど」なんてエクスキューズさせずに、饒舌にテーマを集中的に語らせればよかったと思います。こっちを省略しちゃってるんだからなぁ。

冒頭のパン屋さんのシーンで(ここに「パン屋さん」を持ってくるのが「帰りマン」好きの真骨頂!)、パン屋のおじさんに「一人になるのが怖い」と番組開始数分の時点でテーマの中核を語らせてしまうのももったいない。

パン屋「君の言うことは正しいよ、あの子は怖いんだよ」
ミライ「怖い?友達が、ですか?友達、なのに?」
パン屋「いや。あの子達と一緒にいられなくなることが、だよ」

僕が書くならこの程度に抑えちゃうな(だーかーらー毎週ながら直木賞作家に対して偉そう過ぎるぞオレ!)

今回はミライは珍しく大人で、「ちゃんとしたウルトラマン」ぽかったのが逆に斬新でした。ミライらしくないといえばそうもいえるんですが、今回はナオコに物語が集中してるので、それもよし。

それで、今回の出来事って、どう見ても「マイナスエネルギー」が引き起こしたものであって、いい流れで次回の矢的先生登場につながり、


それよりもなによりもだな。
リアルタイム地方の皆様はもう、矢的先生にお会いになったんですね。
僕は予告だけで泣けそうですよ(T^T)
しかも「メビナビ」見たら、80のことを「ウルトラ兄弟」と呼んでいるじゃないですか!
公式サイトにもそうやってアップされたし。
先生、ご出世なさったんですね(感涙)

これからみんな、あの歌を歌うときは歌詞を変えるように。
「♪進め、進め、進め!守れ、守れ、守れ!我ら、ウルトラ9兄弟!」