ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

これは公開中なので隠しましょう。


脚本家も監督も変わったという今作。
これまでの合計5作の中で、一番「一本の映画」として形になっていました。
ハリー・ポッターは原作がかなりの長編なので、2時間程度の作品に抑えるのは毎回大変だと思うんですよね。
そのせいで、第1作「賢者の石」以来、僕のような原作ファンにとっては物足りない作品ばかりでした。
原作の「プロモーションビデオ」に過ぎないものばかりで。

今回は、確かに省略されている部分は確かにあったんですが、その略し方が非常にうまかった。
前々作の、飛行用箒「ファイヤーボルト」関連がまるまる削られたこと、前作のハリー初恋の相手「チョウ・チャン」に関するシーンのカットなど、次回作に向けて相当問題が出るだろうって部分は気になって仕方なかったんです。

今回は、夏休み中のドタバタ劇、シリウスの母の描写などが思い切りカットされていましたが、話の筋にほとんど関係ない部分だったので気になりませんでした。
逆に、悩むハリーにルーナが触れ合う、それによってハリーが元気付くシーンなどは原作になかったのですが、効果的でした。

唯一つだけ残念だったのは、チョウ・チャンとの初恋、一旦成就したものの破局に終わる、その辺の機微が、特に後半ほとんど描かれていなかったこと。
あれだけキスシーンを話題にしたんだったら、その結末までちゃんと描いて欲しいものでした。
次回「謎のプリンス」では、ハリーはまた新しい恋を見つけるんですから。

なかなか楽しめた作品でした。原作、もしくは映画のこれまで4作を知らないとキャラクターがわからない点などは多めに見てw