劇場版「マジレンジャー」&「響鬼」

やっと見ました。
一番近い上映映画館まで、車で片道1時間以上かかるんだもんな、疲れます(苦笑)
運転中眠らないように、やたら栄養ドリンク(カフェイン入ってるの)とかコーヒーとか飲みまくったら、「響鬼」の途中で猛烈な尿意を催して困りました(笑)

映画って、何だか予告編も好きなんですよね。
お金払ってまで見に行かない作品を、ダイジェストで見られるので。
今回はさほど注目の予告はありませんでしたが・・・出来れば「ハリー・ポッター」の予告を見たかったな。

では、以下ネタバレアリ。・・・長いです(^^;

祝日と言うことで、親子連れが多い劇場でした。
三十路男が一人で見に行くというのもちょっと厳しいところはあったのですが(苦笑)
しっかりパンフレットを買い、ネタバレを避けるためにカバンに押し込み、さぁ上映です。
シネコンに行ったのですが、電光掲示板のタイトルは「仮面ライダー響鬼」としか書かれてないの。
マジレンジャー贔屓としてはちょっとご立腹(笑)

まず先に上映されたのは、そのマジレンジャー
いきなり戦闘シーンから始まるというのはボク好みでした。
それ以外でも、主人公・魁(マジレッド)とヒロイン・山崎由佳(平田薫・演)との恋愛を軸に、解りやすく纏めてあって、とても居心地のいい映画でした。

「居心地のいい」・・・ボクがこう言うフィクションの作品に一番求めるのが、「世界観」みたいです。
その世界の住人になれるほどのめり込める、世界観。
例えば皆さんも、昔、「アルプスの少女ハイジ」を見ているときはアルムの山に住んでたでしょうし、「宇宙戦艦ヤマト」を見ていたときは一緒にイスカンダルに向かって旅をしていたと思います。
それほどのめり込めるためには、説得力のある世界設定が必要だと思うのです。

一つは、出来るだけリアルな考証に基づき、現実世界に何か大きな「嘘」が起こる、という作り方。
その他の「嘘」は全て、その「最初の嘘」に随伴して起こってくると言うやり方です。
昭和29年の「ゴジラ」もそうですし、近いところでは1995年の平成版「ガメラ」はそのリアルさが人気の元でした。

もう一つは、世界観もろとも思いっきり作り上げてしまうやり方。つまりはファンタジーですね。
戦隊物で言えば1992年「恐竜戦隊ジュウレンジャー」が一つ金字塔をうち立てたと思ってます。
ハリー・ポッター」も、ボクは「魔法世界」という世界が大きな魅力だと思っています。

その点では、今回の「マジレンジャー」は、マンドラ坊やの巨大化(笑)など映像的に無茶苦茶してるんだけど、それがとても楽しい。実写版になった絵本みたいです。

最後の決め技、あれはもう少し派手目にしてくれても良かったかなと思いますが、でも悪くない。

ストーリー、演出ですが、上記の通り山崎さん(魁ちんが言うところの)との恋愛を軸に持ってきてあって、ボク等大きなお友達からしたら懐かしい臭いがするものでした。
小さなお子さんはどうご覧になったのかな。憧れの存在になったのか、それとも戦闘シーンのおまけにしか見えなかったか?
少なくともみんな、静かにちゃんと見てました。

ラストの夕焼け(映像エフェクトですけど)の中でのじゃれ合いなんて最高ですよ。
本来はあまり好みのルックスじゃない山崎さんですけど、めっちゃ可愛かった。
(彼女ってどことなく森口博子に似てる(^^;)
ほっぺたぷに!も良かったなぁ。
魁ちんの「山崎さん」って呼び方も初々しくて何だかリアル。そうそう、苗字でしか呼べないのよねぇ。

一方でマジレッドに変身した後は「由佳」ってファーストネームで呼んでたりするんですが。

アクションシーン。マジシャインが確か初めて、正体であるサンジェルの姿で戦います。
負けます(苦笑)
最後の戦いでしっかり何の説明もなく復活するんですが、「さっきやられたにゃん」(だっけ?(^^;)とスモーキーにツッコミ入れられてるし、やる方も解ってやってるんですよね。

また巨大戦前の戦いでは、バーサーカーとマジレッドが「魔法」を使わず(トドメは呪文を使いましたが)剣劇アクションだけで戦っているのが迫力でした。

CGがハッキリそうと解ってしまうところが多いのですが、ラストボス「ソード・オブ・グルーム」なんてほとんどCGIのみの造形であったのに、部分部分でミニチュアを入れてきて実物感を出しているのは好きな手法。
ガオレンジャー」でもやってましたよね。

キャスティングですが、リン=ルナジェル(山内明日・演)の再登場が嬉しかったな。特に何をするってワケじゃなく、マジトピアにやって来た小津兄弟を天空大聖者マジエル(なんかマキエルみたいなネーミング(^^;)と引き合わせるだけ、とはいえ、一応必要な役回りでした。
いきなりマジエルに会いに行っても良かったのかもしれないけど、そこはそれ、やっぱ紹介者があった方が面接はスムーズに進むわけだし。あとはファンサービス。ボクはルナジェル一点買いで映画見に行ったわけだし(笑)
あの大人顔、好きなんだよねぇ。

また、お母様(小津深雪、渡辺梓・演)が回想シーンとはいえ復活。親子の絆を感じさせるシーンで、「兄弟」「家族」がテーマになっていると思しきマジレンジャーらしいいいシーンでした。
思わず涙腺が弛みました。

それから何よりも大物だったのがマジエル役の曽我町子さん!
存在感アリ過ぎ!
もっと時間的に尺があれば、小津兄弟に試練を与えるシーンがあっても良かったんだけど・・・ああ、それではマジシャインがやったのと同じになっちゃうか。
人類みんなに幸せな魔法を掛けてくれるシーンもあったんですが、どうしてもイメージとして

「大地に眠る悪霊どもよ!ドーラフランケに、はぁっ!力を与えよっ!」

(byバンドーラ from「ジュウレンジャー」)
・・・って声が聞こえてきそうで(笑)

とにかく楽しめました。


続いて「響鬼」・・・って休憩無しなの?
来ているお子さんたちの年齢層はかなり低めだったので(小学校低学年〜下手すると幼稚園にも入ってないような子がメイン)、実際、疲れて、飽きてしまった子も多かったらしく、この映画の途中でおしゃべりが増え、小さい子はむずかり、泣きだし、お母さんが劇場の外に連れていったり、またそうも行かなかった子達は通路を走り回ったり、トイレに立ったり(これは自然現象ね(^^;)、集中して見ていられなくなったようです。

この間に少しでも休憩が入れば違っただろうに・・・総入れ替えの悪い面が出ましたね。

さて映画の内容ですけど・・・申し訳ないことにボクは食わず嫌いでほとんどテレビの「響鬼」を見ていないのです。
先程の「世界観」の話に持って行くと非常に辛いのですが・・・
ボクだったら「戦国時代」の設定だけで一本ストーリーを作るかな(何様だ(^^;)と感じました。
途中挿入される「現在」のシーンが興ざめになるんですよね。
折角戦国の世に浸ってるのに(^^;
そういう作りなんだと思い始めた中盤以降は、今度はほとんど入らなくなってくるし(^^;

でもそんな中、唸ったのが戦国時代の決着がつかないままで一旦現在に戻るところ。
面白いなぁと思ってたら最後また戦国時代で「事件解決後」を描いちゃったのが残念でした。
あれ、いらんよなぁ(^^;

また7人の鬼の一人・カブキが「ダイエット」だ「リバウンド」だと外来語のセリフを言っちゃうのも(あ、そうそう、ヒビキも「サンキュ!」って言ったな)、ボクはあまり好きじゃない。
思い切り「これはテレビ版のパロディです、コメディです」って設定でやるのなら面白いと思うけれど、結構シリアスなストーリー展開だと浮くんだよね。
本来なら「おいおい、その時代にそんな言葉ねぇよ」と笑うところでしょうけど、イブキの「くるしゅうない」と同じく、監督が笑わせにかかっているところで、ギャグが滑ってるのが痛かった。

因みに子供さんが一番笑ったのが、ドランクドラゴン塚地が金的をやられる場面(^^;

観客のターゲットの読み間違いかなぁ?
ボクが思っていたより子供さんが喜んで見ていたので、ギャグを入れるなら、こういう解りやすいギャグにしておいた方が受けたかもしれないし、入れない方が安全だったかもしれません。

キャラクターが非常に多いのが特徴のこの映画ですが、多すぎて消化不良を起こした感は否めません。
ヒトツミという安倍麻美演じる悪役は・・・正直、安倍麻美である必要はまるでなく。
(変身しないで戦ってくれたらカッコよかったのにな・・・無理は承知で(^^;)
一度解散した鬼たちが再結集するシーン(これももうちょっと見栄切ってくれたらなぁ。というのはやはり旧世代ファンなんでしょうね(^^;)の後、ヒトツミ(魔人)に次々と必殺技を掛けていくシーンは完璧に間延び。
ここでしか鬼たちの見せ場を作れないから、一所に押し込んだという感じがどうしてもしてしまって。

アクションで言うなら、オロチがフルCGで、それはそれでいいんだけれど、画面とマッチしていないのがまた残念でした。化けガニはカッコよかったのになぁ。
鬼岩城の扉とか、必要のないところまでCGにしてるし・・・
大がかりなセットを作り、燃やすほどの予算があるのだから、扉とかオロチの一部くらいはミニチュアでやってくれた方がカッコよかったように思います。

えっと、ラストの響鬼のパワーアップについては・・・多分、ここがテレビ版のファンが困惑した部分なんだろうなと感じました。
映画版だけしか見ていないボクが言うのもなんですけど、それまでの雰囲気からして、やっぱ違う気はします(^^;
デザイン的にも和風テイスト無くなっちゃったし。

結局「よくわかんない(^^;」って映画でしたが、どうも事前情報はしっかり子供の間に行き渡っているらしく、隣に座った坊やがお母さんにネタバレ発言しまくるので困りました(^^;
カブキが寝返ることが彼の登場直後に解っちゃうんだもんなあ。
その彼は、ニシキを「猫」って言ってました。トラです(よね!?(^^;)。

小ネタ。ニシキ・ハバタキ・キラメキの3人が変身したのって、「サンバルカン」のオマージュですよね?

わかんない割に、生け贄に選ばれてしまう少女・ひとえ役の女優さんの演技は好きでした。
少女らしいはかなさを感じさせて。好演だったと思います。


うわー、響鬼のファンから起こられないだろーか、とビクビクしながら更新(苦笑)
あくまでテレビシリーズをほとんど知らない、しかも昭和ライダー世代の人間が、いきなり映画版を見たらこう思うよってことで(^^;