週末の特撮番組

ボクが見ていないものも含めると、最近はセイザーXとか数は増えてるんですよね。
1996年のシャンゼリオンガイファードが頑張ってた時代を思い出します。

今週は、やっぱり「ウルトラマンメビウス」が出色でした。番組としての一推しの座も、ボウケンジャーから奪い去りそう。

さてストーリーに入る前に、雑音を。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060415-00000006-khk-toh
放送していない地域にも苦労はあるようですけど、個人的には前作「マックス」が正確に評価された当然の報いじゃないかなと思ったりもするのです。
マックスは、過去の遺産と名の売れたゲスト監督でどれだけ客がつくかというテストケースになったと思います。全く番組としての個性を感じさせない作品に「NO」が突きつけられたと思いたいな。
そのとばっちりを食ってしまった形のメビウスですが、見ている限りでは上層部から「今回も過去の遺産で」と言いつけられながらもオリジナリティを加味して非常に頑張っているので、正当な評価がそのうちに下されると希望を持っていたいです。

さて、第2話「俺達の翼」。
遂にGUYSのメンバーが揃うのですが、揃っていく過程を見せる辺りが非常に燃えます。
如何にもおもちゃおもちゃした戦闘機「ガンフェニックス」の炎の模様に、あれだけのドラマを織り込んでくるとは。
どう考えてもおもちゃ会社が持ってきたデザインに対して後付したものだろうけど(笑)

という流れでメカニックに関して語りますと、前回書いたように旧式戦闘機のエンジン音が旧シリーズの戦闘機のものでしたが、今回も同じような演出がありました。
宇宙人が残したテクノロジーメテオール」を使用した「マニューバモード」になると、飛行音が昔懐かしいUFOの飛行音になるのです。
古くは1957年の東宝映画「地球防衛軍」に使われて以来、様々な怪獣映画、ひいてはウルトラシリーズの宇宙船の効果音として使われてきた、由緒正しい音です。
これは面白い演出でしたね。
メテオールの出所を聴覚的に示すナイスアイデアです。
このモードになると飛行スタイルが一変し、UFOのような不思議な動きをするとともに、戦闘力も滅茶苦茶上がるんですね。あのグドンを空中に吸い上げるんだから。
ただし使用期限は1分間。
なるほど、セブンガーのデータも使ったと(笑)

ダメダメ長官がぼそっと漏らした、前回の怪獣の死体処理問題など、細かいところも押さえてくれているのもえらい。

さて長官がことなかれ主義のダメダメなのに対し、サコミズ隊長は敢えて熱血ではなく、隊員を飄々と、しかし優しく見守ってくれる父的なキャラクターに描かれていて、田中実さんのキャスティングがしっかりはまっていますね。

今回はマックスと違って隊員のキャラクターがしっかりしています。斑鳩と漢字で書けないから苗字で呼ばれるのを嫌うジョージとか(笑)、リーダー的存在のリュウ、博識というか怪獣ヲタクにしか思えない、妙に親近感を覚えるテッペイとか、女性キャラもティガ以来のお約束になってきた女性でエースっぽいマリナ(しかしマニューバモードのスピードに耐え切れず失神するとか、人間的な部分を描いているところが、ステレオタイプな女性キャラでしかなかったマックスのミズキとは大きな違いだな)、そしてマスコット的メガネっこ・コノミちゃん。
ウルトラマンジオと二人も同じ名前のキャラがいるのが笑える)

これまでのウルトラシリーズが実際にあった歴史であるという世界観のこの作品ですから、リュウがジェットビートルについての薀蓄を語ってるっぽいシーンもあるわけで、今後現れる怪獣に関して、テッペイが説明することで迅速にストーリーに入れるというメリットがありますね。
実は「ウルトラマン」で科学特捜隊を設定したのも、前作「ウルトラQ」において怪獣の正体探しに時間がかかりすぎたため、怪獣が現れたらコンピュータですぐ正体がわかる、そんな組織を出したかったということらしいです。
ガボラの時が正にこういう展開でした。その「コンピュータ」の役割を、今後テッペイが果たしてくれるわけですね。

そして怪獣グドン。本来、グドンのキャラクターを生かすのであれば、やはりツインテールの出現が必須なのですが、今回は「怪獣が現れる理由」に必ずあの「謎の女性」が絡んでくるようで、しかも今回のストーリーだと完全なやられ役だからこれでよかったようです。
「それじゃグドンじゃなくてもよかった」といえなくもないですが、今回はテッペイが知っている「過去登場の怪獣」である必要はあったわけで、それだったらビジュアル的にかっこいいグドンを使ったのは正解だと思います。
初代よりも「鞭」にスポットを当てた演出はかっこよかったし。

そのグドンですが、質感のみ新しい素材でリファインして、初代のテイストをそのまま残したのは好感が持てました。マックスエレキングは初代の艶やかな皮膚感を殺してしまっていたので、グドンも心配だったのですが杞憂に終わりました。
またメビウスに斬られてやられるシーン、「斬られたー」ってポーズはやややりすぎな気はしないでもないですが(笑)、断末魔の「口がパクパク」など、CGじゃなくてもギミックだけで十分「感情・表情」が表現できるという日本特撮の素晴らしさを見せてくれました!
(こういう演出に関しては「キングコング対ゴジラ」をぜひご覧頂きたい)

ただ一つ、折角リュウが「いまだ!」って言ってくれてるのに、悠長に剣を伸ばしてるメビウス・・・明らかに機を逸してるって(笑)