東映まんが祭り(違)

見てきました、ボウケンジャー仮面ライダーカブトの映画。内容はネタばれになるんで隠すとして、

見終わって昼飯くん(それじゃ妖怪だw)喰いに入ったハンバーグ屋で、いつものようにお行儀悪く本を読んでたわけですよ。そしたらうら若い女性店員さんに「それ、何の本ですか?」と声をかけられてですね。読んでいたのがハリー・ポッターの第5巻だったんですが、彼女はハリポタファンってことで目ざとく発見したようで、仕事中なのにしばし話し込んでしまいました。
なんとなく嬉しかった出来事(^^)
ってことで映画のお話に。

轟轟戦隊ボウケンジャーTHE MOVIE 最強のプレシャス

短かったなとw
昨年のマジレンジャーでは映画のスクリーンの大きさを利用して「小津兄妹がはじめてマジトピアに赴く」というシーンがあったり、元々がファンタジーな世界観だから、マジトピア・地上・インフェルシアをまたにかけた大風呂敷wを広げた上で、思春期を思い起こさせる甘酸っぱいエピソードを展開したわけですが(故・曽我町子さんの天空大聖者マジエル様がいいスパイスになってましたね)、今年は「広がり」という意味では寂しいところがありました。

外伝的エピソードとしては普通と違う敵を設定するのは常套手段かもしれません。「8人ライダー対銀河王」とかね(あれはネオショッカーが絡んではいましたが)。
今回もネガティブは冒頭の顔見せ程度の短時間出演だったんですが、後半の見所がダイボウケンとダイタンケンの巨大戦がメインになることを考えると、ビジュアル的に格闘シーンを入れておきたいというのは正解でしょう。クエスターだけは特別扱いでしたけども。
ただ今週の「初音の鼓」エピソードでもネガティブがメインじゃなかったし、「敵組織が単一でない」というボウケンジャーの特色からして仕方ないのかもしれないけれど、驚きが無かったのは残念。

一番の見所は、さくら姐さんのプレシャス映像倉田保昭さんのゲスト出演かな。上記の、昨年の曽我町子さん同様、ベテランの競演はドラマを引き締めてくれます。
倉田さんの頼りがいある一方で飄々としたキャラクター。よかったですよ、如何にも「親父」って感じで。
ただパンフレットで彼自身が力説されているように、もっとアクションを取り入れてもよかったんじゃないでしょうか。何と言ってもドラゴンですぜ彼は。
戦った相手はほとんどCGIで作られた化け物。合成すればどんな映像でも作れる昨今ですが、「迫真性」という意味では肉体同士の格闘に勝てるものは無い、そういう意味ではCGに頼った特撮は、「愚かな人間の手によるプレシャス」になりかねないんですよね。ゲストを大事にするってどういう意味なのか、スタッフさん考えてみて欲しいです。

てかなっちゃんに「一つになろう」とか誘われたら断る自信ないぞ俺(泣) 飯塚昭三さんなら断るけどwww

仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE

単純に一本の映画として見た場合、ボウケンジャーより面白かったかも。
ただどういう世界設定なのか知っていないとストーリーに入りにくいという、平成ライダー共通の弱点は全く直そうという気も無く今回も顕在だったようです。

正直、平成ライダー映画を見たのは前回の響鬼含めてまだ2本だけなんですけど、前回のは時代設定も違うし、明らかに外伝エピソードでした。だからまぁよかったんですけど(過去のキャラクターに現在のキャラと同じキャスティングをするという楽しみは共感できなかったので残念でしたが)、今回は、僕は一応「カブト」を数ヶ月見てたんですよね。最近飽きちゃって見なくなったんですけどw(だって格別非難するところは無いけど、格別面白いところも無いんだもんw)、登場人物とか相関とかは覚えてるわけ。

それでも全然解んなかったんだもんwww

それが最後に「壮大な前日談」だったと種明かしされて、一応納得して、里中唯ちゃんをはじめ「ひより」エピソードの切なさとかを総合するとなかなか楽しかったんです。
でも消化不良だなぁ(^^;
何がよくないんだろうか。唐突に出てくるラスボスが武蔵だったから?w<いやあれはあれで面白かったぞ

やはり「見に来る人は雑誌や公式サイトであらすじを知っている」ことを前提にして作られた不親切な画面作りからくる不快感なのかもしれません。
まず、冒頭の格闘シーンが終わったあと、子供たちがあからさまに退屈し始めました。トイレに行く子あり、僕の両隣は子供たちがぎっしり座っていたはずなのに空席になってたり。(ちょうど「お前に食わせる鯖はねぇ!」のあたりねw)
これ、ストーリー的にはともかく映像的に面白みがなくなった証拠。
それと、ひよりが倒れるあたりで「これ、可愛そうなんだよね」と父親に解説を始める子供出現。これもなんだかなぁ。
実は似たような経験は「ゴジラvsメカゴジラ」を見に行った際にもあったんですよ。子供さんが「今度のメカゴジラは悪者じゃなくて、後でスーパーメカゴジラに合体して云々」と解説をし続けてたんですよ、小林清志さんのプロローグも聞かずw
しかし、タイトルバックが始まり、伊福部テーマが大音量で鳴り響き、メカゴジラの頭部が超どアップで映し出された途端、「…すげえ」とつぶやいて、その子はそれきり映画に釘付けになっていました。

いつも批判している通り、「設定」に凝るのではなく「映像」に凝って欲しい、ということじゃないかなと思うんですよね。

映像、といえば隕石だなんだ、と大きな特撮が作られていて、特に「天空の梯子」の巨大エレベータなんて素晴らしい出来でした、ボウケンジャーの「海」が合成見え見えだったのとは比べ物にならないくらいの予算がかかってるw
それに関してパンフレットで、仮面ライダーラクス=織田秀成役の小林且弥氏が「まず隕石が落ちてくる事自体、日本映画じゃまずありえない訳で、でも『仮面ライダー』なら有り」と仰ってて、ここで認識の違いに僕は唖然としたわけです。

いや「ゴジラvsモスラ」で隕石落ちてきてるじゃん、みたいなマニアックなツッコミじゃなくてw

仮面ライダーで隕石ってひょいひょい落ちてきてませんからwww
仮面ライダーって何かって話をし始めると凄く長くなるんだけど、きっと彼のような世代にとっての「仮面ライダー」って、僕らが覚えている「荒野を渡る風 ひょうひょうと 一人行く一人行く 仮面ライダー 悲しみを噛み締めて 一人一人戦う されど我が友 我がふるさと 一人でも一人でも守る守る 俺は仮面ライダー」な「個」のロンリーヒーローではなく、「等身大特撮ヒーローの代名詞」になってしまってるんでしょうね。
うちの母が昔、怪獣を見ると全て「ゴジラ」と呼ばわっていて、そのせいで幼少の僕が「怪獣を英語に訳すと『ゴジラ』っていうんだ」と誤解していたようなものでしょう(そうなのか?www)

そう考えると、最近の若いクリエイターが作る仮面ライダーが「仮面ライダーらしくない」のもわかろうというものです。

あれ、この映画一本の話じゃなくなってしまったな、ごめんなさいm(_ _)m