ウルトラ5兄弟

どうしても「ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟」が納得行かないので、過去のウルトラ兄弟集合編をレンタルしてきて見直しています。
帰ってきたウルトラマン」では、「ウルトラセブン参上」の回でセブンが登場しますがこれはブレスレットを渡すだけ、「ウルトラの星光るとき」でセブン、初代マンが登場しますがとらわれの新マンを救うとさっさと帰ってしまいます。
ので、「ウルトラマンエース」から観覧開始しました。
実は第1話でエースを紹介するために4兄弟が集うシーンもあるんですが、これはおいといて。

最初は第13〜14話、「死刑!ウルトラ5兄弟」「銀河に散った5つの星」。超獣バラバ、異次元超人エースキラー登場編です。
この回が特に異例に感じたのは、5兄弟がやたらしゃべることです。以前の第5話で超獣アリブンタ・地底エージェントギロン人と戦うためにゾフィーがやってきたときもそうだったので、この頃はそういうお約束になっていた様子。ウルトラマンの擬人化が進められているのですね。
ただ一人称が「おれ」だったりするとちょっと重みがないなと(^^;
よって、ゴルゴダ星に呼び寄せられたウルトラマンはちょっと「小さく」見えてしまいます。ただ、5兄弟がゴルゴダ星を歩くシーンで、ちゃんとやや低めのカメラ位置から「岩山の向こうを歩くウルトラマン」というパースを考えたシーンが作られていて、それでも「ウルトラマンは巨大なんだ」という意識が画面から伝わってきました。

ゴルゴダ星で冷凍光線により衰弱した5兄弟は、エースにエネルギーを託して地球に向かわせ、超獣バラバと戦わせますが、そのために力尽きて十字架にとらわれます。エースも勝負を有利に進めながら、その映像を見せられることで意気消沈し、一敗地にまみれます。

後編では4兄弟の武器を身につけたエースキラーが登場、ご丁寧にもエースロボットを建造したヤプールは模擬戦を行い、4兄弟を精神的に追い詰めます。エースはエースキラーと戦い苦戦しますが、4兄弟の残りエネルギーを託されて必殺技「スペースQ」でこれを破り…
ってこの辺が記憶よりも非常に早く進んでてびっくりしました。
エースキラー、弱っ(汗)
ゴルゴダ星が爆発する中、5兄弟は脱出に成功。そのままエースは単身、地球に帰還してバラバを今度こそ倒します…そう、4兄弟は「だし」に使われただけで、地球には立ち寄ってないんですね!
これは「帰りマン」時代の兄弟のあり方が踏襲されている気がしました。

この回は、5兄弟が集まること自体が大事だったのでこの程度かな、という感じ。


次に鑑賞したのが、第25〜26話「全滅!ウルトラ5兄弟」「奇跡!ウルトラの父」です。
このとき既にヤプールは全滅していて、登場するのは地獄星人ヒッポリト星人。
自らの虚像を投影することで手を汚さず破壊活動を行っていた星人の謎を解き、エースは優位に戦いを進めますが、姦計にはまりブロンズ像にされてしまいます。
救援にやってきた4兄弟(BGMがそれぞれの主題歌をアレンジしたメドレーになっていて泣かせる)。セブンが変わり果てたエースの像をなでる手には悲しみをたたえていますが、今回は前回と違い、兄弟はしゃべらないんですね。
ヒッポリトによりゾフィー、初代マンがとらわれ、新マンはカプセルを破壊すべくブレスレットを放とうとしますが、その隙に自らもカプセルにとらわれます。
セブン一人が星人と戦いますが(さすが勇士司令部所属!)、遂には彼もダメージを負い、とらわれの身に。
夕陽に悲しく立ち尽くす5つのブロンズ像。

彼らが次々に命を落とすシーンは、心が痛みます。この辺のドラマ描写が絶妙ですね。
しかもここで「来週に続く」だから、当時の子供たちはたまったもんじゃないw

実はこの話、ヒッポリトのために一般人も殺されていて、その息子がエースもTACも信じないと自暴自棄になり、彼も含めて民衆が星人の言うままに、エースを引き渡し降伏しろと絶望する場面があります。
TACは、超獣人だけでなく、自らの守るべき地球人の弱さとも戦っているんです。竜隊長は「命を交換すれば必ず勝てる」と死を賭して星人に立ち向かう決意を述べたりしています。

後編ではそのTACの必死の戦いが描かれ(途中でちょっぴりコミカルな場面があるのが非常に残念)、力尽きようとしたその瞬間にウルトラの父が登場。長旅で既にエネルギーが切れかけていると説明されますが、序盤の圧倒的な強さと重々しいアクションは、身軽なエースたちと比べて「目で」訴える差別化がなされていて見事です。
父のエネルギーを受け継いだエースは、父の亡骸を見て発奮しヒッポリトを撃破。4兄弟にエネルギーを僅かずつ与えて復活させます。カラータイマー5重奏がうるさいw

彼らはウルトラの父の亡骸を宇宙に運びます、惜しむらくはここのBGMがオリジナルでなく「帰りマン」で坂田兄妹が殺されたシーンで使われていた「ウルトラマンのテーマ」のアレンジであったこと。

上記した被害者の息子もウルトラファミリーの勝利を見て希望を取り戻すというエンディングが描かれます。

こうしてみると、兄弟総出演のイベント編は、盛りだくさんだからかなり忙しい印象はあるものの、後に撮影されたものの方がスタッフの慣れもあるんでしょうがドラマ的にも特撮的にも面白く出来上がっていました。変身後のウルトラマンが一言も言葉を発しないのに感情表現しているのも興味深かった。
「帰りマン」でのセブンと初代マン、「エース」でのウルトラの父の登場には、「見栄きり」といいましょうか、勿体つけて「おおお!きたきたきたー」という興奮を高める演出がなされています。
この辺の「演出」がメビウス映画で喰い足りなかった部分でしょうね。
(繰り返しますがあの映画は脚本は面白いんです)

さて、今度は「タロウ」を見たいんだけど、たくさん見たい回があるんだよねwww
バードン3部作、ムルロア、テンペラー…テンペラーだけは絶対はずせませんね。